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冬の詩Tへ 冬の詩Uへ
冬の詩Tもくじ
もどる
かな もどる 雪にこぼれる涙

ぼくは
ぼくは
雪だるま
木村達也
温かい息を
吹きかけられると
ぼくは溶けてしまうよ
大好きな人に
冷たくされると
ぼくは生きていけないよ
もどる 雪にこぼれる涙

ゆきだるま
きむらたつや
あたたかいいきを
ふきかけられると
ぼくはとけてしまうよ
だいすきなひとに
つめたくされると
ぼくはいきていけないよ
Yukidaruma
Kimura Tatuya
Atatakai iki o
hukikake rareru to
boku wa tokete simau yo
Daisukina hito ni
tumetaku sareru to
boku wa ikite ikenai yo
かな もどる 凍る日

ぼくの
ありがとう
ぼくの
ぼくなんかのためにありがとう
だれにも
ぼくのためにありがとう
こぼれているよ
こんなぼくの
雪にこぼれる涙
木村達也
雪が降っているね
雪の中から
ぼくの涙を
拾ってきてくれて
ありがとう
雪だるまが
ぼくの涙を
拾ってきてくれたよ
ぼくなんかのためにありがとう
だれにも相手にされないような
ぼくのためにありがとう
雪がきらきらかがやいて
降り続いている
涙もきらきらかがやいて
こぼれているよ
こんなぼくの涙を
拾ってくれてありがとう
もどる 凍る日

ゆきにこぼれるなみだ
きむらたつや
ゆきがふっているね
ゆきのなかから
ぼくのなみだを
ひろってきてくれて
ありがとう
ゆきだるまが
ぼくのなみだを
ひろってきてくれたよ
ぼくなんかのためにありがとう
だれにもあいてにされないような
ぼくのためにありがとう
ゆきがきらきらかがやいて
ふりつづいている
なみだもきらきらかがやいて
こぼれているよ
こんなぼくのなみだを
ひろってくれてありがとう
Yuki ni koboreru namida
Kimura Tatuya
Yuki ga hutte iru ne
yuki no naka kara
boku no namida o
hirotte kite kurete
arigatô
Yukidaruma ga
boku no namida o
hirotte kite kureta yo
Boku nanka no tame ni arigatô
Dare nimo aite ni sarenai yôna
boku no tame ni arigatô
Yuki ga kirakira kagayaite
huri tuzuite iru
Namida mo kirakira kagayaite
koborete iru yo
Kon'na boku no namida o
hirotte kurete arigatô
かな もどる 雪がふってきたね

いくら
そして
凍る日
木村達也
機会を捉えて何かを聞けば
答えてはくれるけど
返事はなんとなくうわの空で
顔がこっちを向いていない
僕が話しかけているのに
他の人に話かけようとする
他の人に話すときは笑顔なのに
他の人が誘うときは笑顔なのに
いくら呼んでも声が届かない
心の中で泣いていても叫んでいても
振り向いてくれない冷たい横顔
そして口もきかなくなった
僕も口がきけなくなった
凍る日に立ち尽くす雪だるま
もどる 雪がふってきたね

こおるひ
きむらたつや
きかいをとらえてなにかをきけば
こたえてはくれるけど
へんじはなんとなくうわのそらで
かおがこっちをむいていない
ぼくがはなしかけているのに
ほかのひとにはなしかけようとする
ほかのひとにはなすときはえがおなのに
ほかのひとがさそうときはえがおなのに
いくらよんでもこえがとどかない
こころのなかでないていてもさけんでいても
ふりむいてくれないつめたいよこがお
そしてくちもきかなくなった
ぼくもくちがきけなくなった
こおるひにたちつくすゆきだるま
Kôru hi
Kimura Tatuya
Kikai o toraete nanika o kikeba
Kotaete wa kureru kedo
Henzi wa nanto naku uwa no sora de
Kao ga kotti o muite inai
Boku ga hanasi kakete irunoni
Hoka no hito ni hanasi kakeyôto suru
Hoka no hito ni hanasu toki wa egao nanoni
Hoka no hito ga sasô toki wa egao nanoni
Ikura yonde mo koe ga todokanai
Kokoro no naka de naite itemo sakende itemo
Hurimuite kurenai tumetai yokogao
Sosite kuti mo kikanaku natta
Boku mo kuti ga kikenaku natta
Kôru hi ni tati tukusu yukidaruma
かな もどる 降り続く雪

ちょっと
そうだね
ちょっと
ちょっと
そうだね
ちょっと
ずっといっしょだよ
そうだね
ずっとずっと
いっしょだね
雪がふってきたね
木村達也
雪が降ってきたね
ちょっと寒くなってきたよ
そうだね
ちょっと寒くなってきたね
風がふいてきたね
ちょっと今夜は冷えるよ
そうだね
ちょっと今夜は冷えるね
暗い夜も
凍える日も
ずっといっしょだよ
そうだね
ずっとずっと
いっしょだね
もどる 降り続く雪

ゆきがふってきたね
きむらたつや
ゆきがふってきたね
ちょっとさむくなってきたよ
そうだね
ちょっとさむくなってきたね
かぜがふいてきたね
ちょっとこんやはひえるよ
そうだね
ちょっとこんやはひえるね
くらいよるも
こごえるひも
ずっといっしょだよ
そうだね
ずっとずっと
いっしょだね
Yuki ga hutte kita ne
Kimura Tatuya
Yuki ga hutte kita ne
Tyotto samuku natte kita yo
Sôda ne
Tyotto samuku natte kita ne
Kaze ga huite kita ne
Tyotto kon'ya wa hieru yo
Sôda ne
Tyotto kon'ya wa hieru ne
Kurai yoru mo
Kogoeru hi mo
Zutto issyoda yo
Sôda ne
Zutto zutto
issyoda ne
かな もどる 帰り道に

こんなにも
こんなにも
それでも
こんなにも
こんなにも
やさしい
ぼくをこんなにも
せつなくてかなしくて
降り続く雪
木村達也
こんなにも傷ついて
こんなにも悲しくて
それでも生きている
耐え続けている
こんなにも冷たくて
こんなにも寒くて
凍えるような雪が
降り続いている
やさしい思い出が
ぼくをこんなにも
苦しめる
せつなくてかなしくて
降り続ける雪の中
立ちつくしている
もどる 帰り道に

ふりつづくゆき
きむらたつや
こんなにもきずついて
こんなにもかなしくて
それでもいきている
たえつづけている
こんなにもつめたくて
こんなにもさむくて
こごえるようなゆきが
ふりつづいている
やさしいおもいでが
ぼくをこんなにも
くるしめる
せつなくてかなしくて
ふりつづけるゆきのなか
たちつくしている
Huri tuzuku yuki
Kimura Tatuya
Kon'na ni mo kizu tuite
kon'na ni mo kanasikute
soredemo ikite iru
tae tuzukete iru
Kon'na ni mo tumetakute
kon'na ni mo samukute
kogoeru yôna yuki ga
huri tuzuite iru
Yasasii omoide ga
boku o kon'na ni mo
kurusimeru
Setunakute kanasikute
huri tuzukeru yuki no naka
tatitukusite iru
かな もどる 雪の夜

ゆっくりと
まいおりてきた
つめたいね
ぽつんとひとつ
かぶった
帰り道に
木村達也
ゆっくりと
まいおりてきた
雪のかけら
つめたいね
白い田に
ぽつんとひとつ
赤いバケツを
かぶった雪だるま
もどる 雪の夜

かえりみちに
きむらたつや
ゆっくりと
まいおりてきた
ゆきのかけら
つめたいね
しろいたに
ぽつんとひとつ
あかいバケツを
かぶったゆきだるま
Kaeri miti ni
Kimura Tatuya
Yukkuri to
maiorite kita
yuki no kakera
tumetai ne
Siroi ta ni
potun to hitotu
akai baketu o
kabutta yukidaruma
かな もどる ねるねこ

ゆきだるまさん
こんばんは
ねこさん
こんばんは
雪の夜
木村達也
ゆきだるまさん
こんばんは
今夜もいい感じで
降りますね
ねこさん
こんばんは
今夜もいい感じで
冷えていますよ
もどる ねるねこ

ゆきのよる
きむらたつや
ゆきだるまさん
こんばんは
こんやもいいかんじで
ふりますね
ねこさん
こんばんは
こんやもいいかんじで
ひえていますよ
Yuki no yoru
Kimura Tatuya
Yukidaruma-san
Konbanwa
Kon'ya mo ii kanzi de
hurimasu ne
Neko-san
Konbanwa
Kon'ya mo ii kanzi de
hiete imasu yo
* かな もどる どこへ

ねるねこ
ねこねるごろり
ぐっすり
つめたい
ゆっくりふわふわ
ねこねるごろり
ぐっすり
ゆっくりふわふわ
ねるねこごろり
ぐっすり
ねるねこ
木村達也
雪の夜は静かだね
ねこねるごろり
ぐっすり眠る
雪の夜は静かだね
窓のガラスが
つめたい
ゆっくりふわふわ
雪はふってくる
部屋はぽかぽか
ねこねるごろり
ぐっすり眠る
ゆっくりふわふわ
ねるねこごろり
ぐっすり眠る
* もどる どこへ

ねるねこ
きむらたつや
ゆきのよるはしずかだね
ねこねるごろり
ぐっすりねむる
ゆきのよるはしずかだね
まどのガラスが
つめたい
ゆっくりふわふわ
ゆきはふってくる
へやはぽかぽか
ねこねるごろり
ぐっすりねむる
ゆっくりふわふわ
ねるねこごろり
ぐっすりねむる
Neru neko
Kimura Tatuya
Yuki no yoru wa sizukada ne
Neko neru gorori
gussuri nemuru
Yuki no yoru wa sizukada ne
mado no garasu ga
tumetai
Yukkuri huwahuwa
Yuki wa hutte kuru
Heya wa pokapoka
Neko neru gorori
gussuri nemuru
Yukkuri huwahuwa
neru neko gorori
gussuri nemuru
かな もどる

どこへ
くるのかな
いくのかな
ぼくはどうして
ここに
ぼくはどこへ
いけばよかったのかな
どこへ
木村達也
雪が降ってきたね
雪はどこから
くるのかな
雪が降ってきたね
雪はどこへ
いくのかな
静かな夜だね
ぼくはどうして
ここに来たのかな
静かな夜だね
ぼくはどこへ
いけばよかったのかな
もどる

どこへ
きむらたつや
ゆきがふってきたね
ゆきはどこから
くるのかな
ゆきがふってきたね
ゆきはどこへ
いくのかな
しずかなよるだね
ぼくはどうして
ここにきたのかな
しずかなよるだね
ぼくはどこへ
いけばよかったのかな
Doko e
Kimura Tatuya
Yuki ga hutte kita ne
Yuki wa doko kara
kuru no kana
Yuki ga hutte kita ne
Yuki wa doko e
iku no kana
Sizukana yoru da ne
Boku wa dôsite
koko ni kita no kana
Sizukana yoru da ne
Boku wa doko e
ikeba yokatta no kana
かな もどる

いちにち
カーテンのすきまから
カーテンのすきまから
カーテンのすきまから
いちにち
木村達也
朝、めざめたら寒かった
カーテンのすきまから
外を見ると
雪がすこしふっていた
昼、雪はどうなっただろう
カーテンのすきまから
外を見ると
雪はすこしつもっていた
夜、また寒くなってきた
カーテンのすきまから
外を見ると
雪は静かに舞いおりていた
もどる

いちにち
きむらたつや
あさ、めざめたらさむかった
カーテンのすきまから
そとをみると
ゆきがすこしふっていた
ひる、ゆきはどうなっただろう
カーテンのすきまから
そとをみると
ゆきはすこしつもっていた
よる、またさむくなってきた
カーテンのすきまから
そとをみると
ゆきはしずかにまいおりていた
Itiniti
Kimura Tatuya
Asa、mezame tara samu katta
Kâten no sukima kara
soto o miru to
yuki ga sukosi hutte ita
Hiru、yuki wa dônatta darô
kâten no sukima kara
soto o miru to
yuki wa sukosi tumotte ita
Yoru、mata samuku natte kita
Kâten no sukima kara
soto o miru to
yuki wa sizukani maiorite ita
Â Î Û Ê Ô â î û ê ô
冬の詩U

もどる
| 本を読んで ひとりでさまよう |
| 街角で 風邪 |
| ありがとう 冬の帰り道 |
| 雪の公園 オリオンの下で |
| さむいね 雪 |
| わすれ雪 夢の雪 |
| 古都の雪 古都の雪 U |
| やがておとずれるわかれに ぽつん |
| 白い季節 雪の屋根 |
| 初雪 冬の夜 |
| 君を待つ人 |
かな もどる ひとりでさまよう

いい
ぼくがいっしょに
そんなたのしい
いい
いい
ぼくがいっしょに
本を読んで
木村達也
本を読んで
いい夢を見てね
眠れるまで
ぼくがいっしょに
読んであげるよ
森や星や海のなかで
人や動物が仲良く暮らせる
そんなたのしい
いい夢を見られるといいね
本を読んで
いい夢を見てね
眠れるまで
ぼくがいっしょに
読んであげるよ
もどる ひとりでさまよう

ほんをよんで
きむらたつや
ほんをよんで
いいゆめをみてね
ねむれるまで
ぼくがいっしょに
よんであげるよ
もりやほしやうみのなかで
ひとやどうぶつがなかよくくらせる
そんなたのしい
いいゆめをみられるといいね
ほんをよんで
いいゆめをみてね
ねむれるまで
ぼくがいっしょに
よんであげるよ
Â Î Û Ê Ô â î û ê ô
Hon o yonde
Kimura Tatuya
Hon o yonde
ii yume o mite ne
Nemureru made
boku ga issyo ni
yonde ageru yo
Mori ya hosi ya umi no nakade
hito ya dôbutu ga nakayoku kuraseru
son'na tanosii
ii yume o mirareru to ii ne
Hon o yonde
ii yume o mite ne
nemureru made
boku ga issyo ni
yonde ageru yo
かな もどる 街角で

ひとりでさまよう
ひとりで
うすぐらい
さまよっていた
きれいな
おきざりにされた
こどもみたいに
ひとりでさまよう
木村達也
ひとりで
うすぐらい
森の中を
さまよっていた
森の中は
小さな川がながれて
きれいな紅葉が
散っていた
日が暮れてきて
家に帰れるか
心細くなった
おきざりにされた
こどもみたいに
心細くなった
もどる 街角で

ひとりでさまよう
きむらたつや
ひとりで
うすぐらい
もりのなかを
さまよっていた
もりのなかは
ちいさなかわがながれて
きれいなもみじが
ちっていた
ひがくれてきて
いえにかえれるか
こころぼそくなった
おきざりにされた
こどもみたいに
こころぼそくなった
Hitori de samayô
Kimura Tatuya
Hitori de
usugurai
mori no naka o
samayotte ita
mori no naka wa
tiisana kawa ga nagarete
kireina momizi ga
titte ita
Hi ga kurete kite
ie ni kaereru ka
kokorobosoku natta
Okizari ni sareta
kodomo mitai ni
kokorobosoku natta
かな もどる 風邪

クリスマスが
ジングルベルの
ショーウィンドウに
でも
それを
街角で
木村達也
寒い季節がやってきて
クリスマスが近づいてきたね
街に雪が降り始めて
ジングルベルの曲が流れる
ショーウィンドウに煌く
銀色の首飾りや
可愛い熊の縫いぐるみ
でも贈り物は買えない
買おうとすると涙があふれて
思い出すとせつなさがあふれる
優しさがあふれてくるけど
それを持っていく場所がなくて
街角の片隅で泣いている
雪が降るなかで泣いている
もどる 風邪

まちかどで
きむらたつや
さむいきせつがやってきて
クリスマスがちかづいてきたね
まちにゆきがふりはじめて
ジングルベルのきょくがながれる
ショーウィンドウにきらめく
ぎんいろのくびかざりや
かわいいくまのぬいぐるみ
でもおくりものはかえない
かおうとするとなみだがあふれて
おもいだすとせつなさがあふれる
やさしさがあふれてくるけど
それをもっていくばしょがなくて
まちかどのかたすみでないている
ゆきがふるなかでないている
Matikado de
Kimura Tatuya
Samui kisetu ga yatte kite
Kurisumasu ga tikazuite kita ne
Mati ni yuki ga huri hazimete
Zinguruberu no kyoku ga nagareru
Syôuindô ni kirameku
Gin'iro no kubikazari ya
kawaii kuma no nuigurumi
Demo okurimono wa kaenai
Kaô to suru to namida ga ahurete
omoidasu to setunasa ga ahureru
Yasasisa ga ahurete kuru kedo
sore o motte iku basyo ga nakute
matikado no katasumi de naite iru
Yuki ga huru naka de naite iru
かな もどる ありがとう

ごほんと
ひとりぼっちは
こころぼそいね
ひとりぼっちは
さびしいね
風邪
木村達也
寒い季節が来て
空気が乾燥して
ごほんと咳が出て
風邪をひきました
熱っぽくて
汗が一杯出て
布団のなかで
日が暮れました
ひとりぼっちは
風邪のときに
こころぼそいね
ひとりぼっちは
夕暮れ時に
さびしいね
もどる ありがとう

かぜ
きむらたつや
さむいきせつがきて
くうきがかんそうして
ごほんとせきがでて
かぜをひきました
ねつっぽくて
あせがいっぱいでて
ふとんのなかで
ひがくれました
ひとりぼっちは
かぜのときに
こころぼそいね
ひとりぼっちは
ゆうぐれどきに
さびしいね
kaze
Kimura Tatuya
Samui kisetu ga kite
kûki ga kansô site
gohon to seki ga dete
kaze o hikimasita
Netuppokute
ase ga ippai dete
Huton no nakade
hi ga kuremasita
Hitoribotti wa
kaze no toki ni
kokorobosoi ne
hitoribotti wa
yûguredoki ni
sabisi'ine
かな もどる 冬の帰り道

ありがとう
こんなぼくの
とてもうれしいよ
こんな
こんなぼくの
もらってくれてありがとう
ありがとう
木村達也
こんなぼくの歌を
聴いてくれてありがとう
とてもうれしいよ
こんな下手な歌だけど
こんなぼくの贈り物を
もらってくれてありがとう
もどる 冬の帰り道

ありがとう
きむらたつや
こんなぼくのうたを
きいてくれてありがとう
とてもうれしいよ
こんなへたなうただけど
こんなぼくのおくりものを
もらってくれてありがとう
Arigatô
Kimura Tatuya
Kon'na boku no uta o
ki'ite kurete arigatô
totemo uresii yo
Kon'na hetana uta dakedo
Kon'na boku no okurimono o
moratte kurete arigatô
かな もどる 雪の公園

オレンジ
でも、
あたたかい
冬の帰り道
木村達也
雪がふっているけど
君にもらった
毛糸がもこもこ
オレンジ色のマフラー
風がつめたいね
でも、横で歩く君の
小さいけれど
あたたかい手
もどる 雪の公園

ふゆのかえりみち
きむらたつや
ゆきがふっているけど
きみにもらった
けいとがもこもこ
オレンジいろのマフラー
かぜがつめたいね
でも、よこであるくきみの
ちいさいけれど
あたたかいて
Huyu no kaeri miti
Kimura Tatuya
Yuki ga hutte iru kedo
kimi ni moratta
keito ga mokomoko
orenzi'iro no mahurâ
Kaze ga tumetai ne
Demo yoko de aruku kimi no
ti'isai keredo
atatakai te
かな もどる 冬の星座オリオンの下で

さようならと
ふりしきる
たちどまっている
だれもいない
雪の公園
木村達也
さようならと
手をふって
ふりしきる雪に
赤い傘をさして
歩く君の姿が
小さくなっていった
足をとめて
たちどまっている
白い雪にうまった
だれもいない
夕ぐれの公園
もどる オリオンの下で

ゆきのこうえん
きむらたつや
さようならと
てをふって
ふりしきるゆきに
あかいかさをさして
あるくきみのすがたが
ちいさくなっていった
あしをとめて
たちどまっている
しろいゆきにうまった
だれもいない
ゆうぐれのこうえん
Yuki no kôen
Kimura Tatuya
Sayônara to
te o hutte
hurisikiru yuki ni
akai kasa o sasite
aruku kimi no sugata ga
ti'isaku natte itta
Asi o tomete
tatidomatte iru
Siroi yuki ni umatta
dare mo inai
yûgure no kôen
かな もどる さむいね

オリオンの
もこもこのマフラー
ぶあついてぶくろの
さむくなってきたね
そうね
でも
おいかけられたりするのよ
ぼくがオリオン?
オリオンの下で
木村達也
毛糸のぼうしに
もこもこのマフラー
ぶあついてぶくろの
君とぼく
夜おそくなって
さむくなってきたね
そうね
でも星がきれいよ
星はおいかけたり
おいかけられたりするのよ
ぼくがオリオン?
君は?
君はいたずらっぽく
笑った
もどる さむいね

オリオンのしたで
きむらたつや
けいとのぼうしに
もこもこのマフラー
ぶあついてぶくろの
きみとぼく
よるおそくなって
さむくなってきたね
そうね
でもほしがきれいよ
ほしはおいかけたり
おいかけられたりするのよ
ぼくがオリオン?
きみは?
きみはいたずらっぽく
わらった
Orion no sita de
Kimura Tatuya
Keito no bôsi ni
mokomoko no mahurâ
buatui tebukuro no
kimi to boku
Yoru osoku natte
samuku natte kita ne
Sône
Demo hosi ga kirei yo
Hosi wa oikake tari
oikake rare tari suru no yo
boku ga orion?
kimi wa?
Kimi wa itazurappoku
waratta
かな もどる 夢の雪

さむいね
「さむいね」
そう
あたたかい
つめたい
さむいね
木村達也
「さむいね」
そう言う君の手は
あたたかい
つめたい雪
赤い傘の下で歩く
冬の道
もどる 夢の雪

さむいね
きむらたつや
「さむいね」
そういうきみのては
あたたかい
つめたいゆき
あかいかさのしたであるく
ふゆのみち
Samui ne
Kimura Tatuya
「Samui ne」
Sô iu kimi no te wa
atatakai
Tumetai yuki
Akai kasa no sita de aruku
fuyu no miti
かな もどる 雪

やさしく
いくつもの
ぼくはくり
夢の雪
木村達也
幼い日の記憶は
雪のように積もる
やさしく響く子守歌
甘く香る長い髪
雪はふりつづけ
いくつもの夜をこえた
ぼくはくり返し
夢を見続けた
もどる 雪

ゆめのゆき
きむらたつや
おさないひのきおくは
ゆきのようにふりつもる
やさしくひびくこもりうた
あまくかおるながいかみ
ゆきはふりつづけ
いくつものよるをこえた
ぼくはくりかえし
ゆめをみつづけた
Yume no yuki
Kimura Tatuya
Osanai hi no kioku wa
yuki no yô ni huritumoru
Yasasiku hibiku komoriuta
amaku kaoru nagai kami
yuki wa huri tuzuke
ikutu mo no yoru o koeta
Boku wa kurikaesi
yume o mituzuketa
かな もどる わすれ雪

ふりしきる
かげもない
ふりしきる
ながれていく
雪
木村達也
ふりしきる
雪のなか
歩く人の
かげもない
ふりしきる
雪のなか
時はただ
ながれていく
もどる わすれ雪

ゆき
きむらたつや
ふりしきる
ゆきのなか
あるくひとの
かげもない
ふりしきる
ゆきのなか
ときはただ
ながれていく
Yuki
Kimura Tatuya
Hurisikiru
Yuki no naka
aruku hito no
kage mo nai
Hurisikiru
yuki no naka
toki wa tada
nagarete iku
かな もどる 古都の雪

わすれ
もうすぐ
ふってくる
よみがえる
あかい
あなたのおもかげ
あなたのおもかげ
もうすぐ
わすれ雪
木村達也
もうすぐ春なのに
雪がひらひら
ふってくる
よみがえる
雪の日にわかれた
あかい橋にたたずむ
あなたのおもかげ
雪はもうすぐ
消えるでしょう
あなたのおもかげ
もうすぐ
消えるでしょう
もどる 古都の雪

わすれゆき
きむらたつや
もうすぐはるなのに
ゆきがひらひら
ふってくる
よみがえる
ゆきのひにわかれた
あかいはしにたたずむ
あなたのおもかげ
ゆきはもうすぐ
きえるでしょう
あなたのおもかげ
もうすぐ
きえるでしょう
Wasure yuki
Kimura Tatuya
Môsugu haru nanoni
yuki ga hirahira
hutte kuru
Yomigaeru
yuki no hini wakareta
akai hasi ni tatazumu
anata no omokage
Yuki wa mô sugu
kieru desyô
Anata no omokage
môsugu
kieru desyô
かな もどる 古都の雪U

ゆっくりと
まいおりてくる
つめたいね
となりにいる
あたたかいね
古都の雪
木村達也
ゆっくりと
まいおりてくる
雪のかけら
つめたいね
となりにいる
君が開く赤い傘
あたたかいね
胸に小さな
灯がともる
もどる 古都の雪U

ことのゆき
きむらたつや
ゆっくりと
まいおりてくる
ゆきのかけら
つめたいね
となりにいる
きみがひらくあかいかさ
あたたかいね
むねにちいさな
ひがともる
Koto no yuki
Kimura Tatuya
Yukkuri to
mai orite kuru
yuki no kakera
tumetai ne
Tonari ni iru
kimiga hiraku akai kasa
atatakai ne
mune ni ti'isana
hi ga tomoru
かな もどる やがておとずれるわかれに

ゆっくりと
まいおりてきた
つめたいね
あたたかいね
古都の雪 U
木村達也
ゆっくりと
まいおりてきた
雪のかけら
つめたいね
赤い傘の中で
君と飲むお茶
あたたかいね
心の中にしみわたる
もどる やがておとずれるわかれに

ことのゆき U
きむらたつや
ゆっくりと
まいおりてきた
ゆきのかけら
つめたいね
あかいかさのなかで
きみとのむおちゃ
あたたかいね
こころのなかにしみわたる
Koto no yuki U
Kimura Tatuya
Yukkuri to
mai orite kita
yuki no kakera
tumetai ne
Akai kasa no nakade
kimi to nomu otya
atatakai ne
kokoro no naka ni simi wataru
かな もどる ぽつん

やがておとずれるわかれに
ふりつもった
きらきらと
あなたの
はにかむしぐさ
あなたとの
きえてしまうのでしょうか
やがておとずれるわかれに
木村達也
心の中に
ふりつもった思い出
きらきらと光る
あなたの笑顔と
はにかむしぐさ
春がきたら
あなたとの思い出もとけて
きえてしまうのでしょうか
もどる ぽつん

やがておとずれるわかれに
きむらたつや
こころのなかに
ふりつもったおもいで
きらきらとひかる
あなたのえがおと
はにかむしぐさ
はるがきたら
あなたとのおもいでもとけて
きえてしまうのでしょうか
Yagate otozureru wakare ni
Kimura Tatuya
Kokoro no naka ni
huri tumotta omoide
kirakira to hikaru
Anata no egao to
hanikamu sigusa
Haru ga kitara
anata to no omoide mo tokete
kiete simau no desyôka
かな もどる 白い季節

ぽつん
くらやみのなかに
ぽつんと
くらやみのなかに
ぽつんと
ぽつん
木村達也
くらやみのなかに
ぽつんと立っていたよ
小さな雪だるま
くらやみのなかに
ぽつんと光っていたよ
小さな星
もどる 白い季節

ぽつん
きむらたつや
くらやみのなかに
ぽつんとたっていたよ
ちいさなゆきだるま
くらやみのなかに
ぽつんとひかっていたよ
ちいさなほし
Potun
Kimura Tatuya
Kurayami no naka ni
potun to tatte ita yo
ti'isana yukidaruma
Kurayami no naka ni
potun to hikatte ita yo
ti'isana hosi
かな もどる 雪の屋根

かがやいた
マフラーの
はしゃいでいたね
白い季節
木村達也
雪が降り始めると
かがやいた君の笑顔
マフラーの上から
白い息がもれていた
雪の季節がきたって
はしゃいでいたね
白いニット帽から
長い髪があふれていた
大好きだったよ
君のこと
雪の上でおどったね
大好きだったよ
君のこと
雪の上で笑ったね
もどる 雪の屋根

しろいきせつ
きむらたつや
ゆきがふりはじめると
かがやいたきみのえがお
マフラーのうえから
しろいいきがもれていた
ゆきのきせつがきたって
はしゃいでいたね
しろいニットぼうから
ながいかみがあふれていた
だいすきだったよ
きみのこと
ゆきのうえでおどったね
だいすきだったよ
きみのこと
ゆきのうえでわらったね
Siroi kisetu
Kimura Tatuya
Yuki ga huri hazimeru to
kagayaita kimi no egao
mahurâ no uekara
siroi iki ga morete ita
Yuki no kisetu ga kitatte
hasyaide ita ne
siroi nittobô kara
nagai kami ga ahurete ita
Daisuki datta yo
kimi no koto
yuki no uede odotta ne
Daisuki datta yo
kimi no koto
yukino uede waratta ne
かな もどる 初雪

はやく
はずむ
はやく
オレンジ
こぼれる
はやく
オリオンの
雪の屋根
木村達也
はやく帰ろう
君が待っているから
続く雪の道に
はずむ白い息
はやく帰ろう
君が待っているから
オレンジ色の窓に
こぼれる笑い声
はやく帰ろう
君が待っているから
オリオンの下に
輝く雪の屋根
もどる 初雪

ゆきのやね
きむらたつや
はやくかえろう
きみがまっているから
つづくみちのゆきに
はずむしろいいき
はやくかえろう
きみがまっているから
オレンジいろのまどに
こぼれるわらいごえ
はやくかえろう
きみがまっているから
オリオンのしたに
かがやくゆきのやね

Yuki no yane
Kimura Tatuya
Hayaku kaerô
Kimi ga matte iru kara
tuzuku miti no yuki ni
hazumu siroi yuki
Hayaku kaerô
Kimi ga matte iru kara
Orenzi iro no mado ni
koboreru warai goe
Hayaku kaerô
Kimi ga matte iru kara
Orion no sita ni
kagayaku yuki no yane
かな もどる 冬の夜

この
はじめての
ふわふわと
まいおりてきた
すこしずつ
ふりつもっていった
いつの
あの
だれにむけられているのか
いくつかの
きらきらと
ほほえみを
ちいさなかけらが
すこしずつ
ふりつもっていった
初雪
木村達也
この冬
はじめての雪が
ふわふわと
まいおりてきた
雪は
思い出のように
すこしずつ
ふりつもっていった
いつの日からか
心のなかに
雪はつもりはじめた
雪の舞う日の
あの人のやさしいほほえみは
だれにむけられているのか
いくつかの夜の
夢のなかに
雪の舞う日があった
きらきらと舞う
ほほえみを映した
ちいさなかけらが
心のなかに
すこしずつ
ふりつもっていった
もどる 冬の夜

はつゆき
きむらたつや
このふゆ
はじめてのゆきが
ふわふわと
まいおりてきた
ゆきは
おもいでのように
すこしずつ
ふりつもっていった
いつのひからか
こころのなかに
ゆきはつもりはじめた
ゆきのまうひの
あのひとのやさしいほほえみは
だれにむけられているのか
いくつかのよるの
ゆめのなかに
ゆきのまうひがあった
きらきらとまう
ほほえみをうつした
ちいさなかけらが
こころのなかに
すこしずつ
ふりつもっていった
Hatuyuki
Kimura Tatuya
Kono huyu
hazimete no yuki ga
huwahuwa to
mai orite kita
yuki wa
omoide no yôni
sukosi zutu
huri tumotte itta
Ituno hi kara ka
kokoro no naka ni
yuki wa tumori hazimeta
Yuki no mau hi no
ano hito no yasasi'i hohoemi wa
dare ni mukerarete iru no ka
Ikutuka no yoru no
yume no naka ni
yuki no mau hi ga atta
Kirakira to mau
hohoemi o utusita
ti'isana kakera ga
kokoro no naka ni
sukosi zutu
huri tumotte itta
かな もどる 君を待つ人

さむかったね
きこえてきた
冬の夜
木村達也
さむかったね
静かな夜に
君の寝息が
きこえてきた
少し温かかった
君の小さな手
白くふわふわと
雪がふっていたね
もどる 君を待つ人

ふゆのよる
きむらたつや
さむかったね
しずかなよるに
きみのねいきが
きこえてきた
すこしあたたかかった
きみのちいさなて
しろくふわふわと
ゆきがふっていたね
Huyu no yoru
Kimura Tatuya
Samukatta ne
sizukana yoru ni
kimi no neiki ga
kikoete kita
Sukosi atataka katta
kimi no ti'isana te
Siroku huwahuwa to
yuki ga hutte ita ne
かな もどる

ぽつんぽつんと
オレンジ
こんなに
だれかを
きっと
あいたいねって
いつまでも
いつまでも
君を待つ人
木村達也
冷たい夜の雪国に
ぽつんぽつんと見える
オレンジ色の窓明かり
こんなに夜おそくまで
だれかを待っているのかな
きっと
あいたいねって
待ち続けているんだよ
君のこと
屋根の上には
白い雪が
いつまでも
いつまでも
降り続いていたよ
もどる

きみをまつひと
きむらたつや
つめたいよるのゆきぐにに
ぽつんぽつんとみえる
オレンジいろのまどあかり
こんなによるおそくまで
だれかをまっているのかな
きっと
あいたいねって
まちつづけているんだよ
きみのこと
やねのうえには
しろいゆきが
いつまでも
いつまでも
ふりつづいていたよ
Kimi o matu hito
Kimura Tatuya
Tumetai yoru no yukiguni ni
Potun potun to mieru
orenzi iro no mado akari
Konna ni yoru osoku made
dareka o matte iru no kana
Kitto
aitai nette
mati tuzukete irunda yo
Kimi no koto
Yane no ue ni wa
siroi yuki ga
itu made mo
itu made mo
huri tuzuite ita yo
â î û ê ô