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ホーム もくじ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 小説 童詩 詩 他 紹介 ![]() 君に会えなくなる 木村達也 君に会えなくなる 二人でつまらないことで怒ったり なんでもないことで笑ったり そして未来を夢見たりしていたけど 君に会えなくなる いつも身近に感じていた 君の軽やかな歌声も 校庭を速く走る姿も 思い出になってしまう いつのころからか君は 四月からのことに夢中で 突然必死に勉強したり つかれてぼんやりしたり 本を次々に読んでみたり なにかうわの空だったり 君に会えなくなる いつもいっしょで いつまでもいっしょだと そんなふうに思っていたけど いつのころからか ちがうところもあって ちがう夢も見ていて いつまでもいっしょではないんだと なんとなく気がつきはじめた 君に会えなくなる だけど思い出のなかの君は いつまでも軽やかな歌声で かっこよく校庭を走っている 君に会えなくなる だけど未来の君は やはりここでの君と同じように きっと軽やかに歌っている きっとかっこよく走っている ![]() ![]() ![]() ![]() ふたりで見る夢 木村達也 ふたりで夢を見ていた そんなふうに思っていた でも時を重ねるにつれ 得意なことも苦手なことも 違うことがわかってきた ふたりで夢を見ていた そんなふうに思っていた だけどあなたとぼくは 夢も違うことがわかってきた 別々の道を進む あなたとぼく 二人の夢がかなうように ねがっている ![]() ![]() やさしさに気がついて 木村達也 ずっと近くで見守ってくれた いままで考えたことがなかったけれど はなれて旅立つときになってやっと あなたのやさしさに気がついて いつも近くで支えてくれた いままであたりまえに感じていたけれど ひとり旅立つときになってやっと あなたのやさしさに気がついて なぜ気がつかなかったのだろう なんとなくわかっていたのに うしなうときになってはじめて その大切さに気がつくなんて いつも笑顔で声をかけてくれた いままでそれが普通の毎日だった だけどわかれるときになってやっと あなたのやさしさに気がついて ![]() ![]() 君のいない春がきた 木村達也 あたたかくなってきて かすみが空にかかっている 草木も芽吹いてきて そよ風がふいている この街にも また春がやってきた だけど君はもういない 君のいない街に あたたかな春がやってきて 小鳥は歌い始め 蝶は舞い始める だけど君はもういない 君のいない街に 静かな風の春がやってきた 君のいない街に やわらかな雨の春がやってきた ![]() ![]() いつもとかわらずに 木村達也 いつもとかわらない声で いつもとかわらない冗談 だけど今日でそれも終わり 明日からは別々の道を歩く いつもとかわらない君の いつもとかわらない笑顔 だけど今日は少し寂しい 明日からは別々の人に会う いつもとかわらない冗談と いつもとかわらない笑顔は もうぼくのまわりから 消えてなくなってしまう いつもとかわらない君の いつもとかわらない笑顔が ずっと続いたらいいのに このまま続いたらいいのに ![]() ![]() なぜだろう 木村達也 卒業の季節に わたしたちは別れた 別々の道を歩くのに 強がって平気な顔をしていた 本当ははなればなれに なりたくなかった あなたとずっとずっと いっしょにいたかった あの日あのとき あなたのさしのべた手を ほほえんでつかめばよかった 意地をはらないで素直に やさしい笑顔に あまえればよかった ![]() ![]() やがておとずれるわかれに 木村達也 心の中に ふりつもった思い出 きらきらと光る あなたの笑顔と はにかむしぐさ 春がきたら あなたとの思い出もとけて きえてしまうのでしょうか ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |